ローコスト住宅でも長期優良住宅が建てられる理由
ここ数年注目を浴びているのがローコスト住宅といわれる低価格で建てられる戸建て住宅です。住宅ローンで家計を圧迫されることなく、自分達の家を手に入れることができるので、人気が高まっています。それと同時に、長期優良住宅に対して関心を持っている人も少なくありません。ローコスト住宅、長期優良住宅それぞれのメリットとデメリットを踏まえた上で、ローコストで長期優良住宅を建てる工夫について考えてみましょう。
家づくりに対する考え方は人それぞれ
「将来のことを考えると、長期優良住宅にしておきたいけれど、普通の住宅よりも建築費が高いから無理だと思う。」
「子供たちが独立後は住み替えをするつもりだから、長期維持できる家にする必要はない。」
できることなら長持ちする家を建てたいと考えている人、住み替えを視野に入れている人など、家に対する考え方は様々です。また、家を建てる為にかけられる費用も家庭の経済事情によって変わってきます。
ただ、限られた費用の中で家を建てるのだから、長期優良住宅は無理とあきらめる必要はありません。家の建て方の工夫によって、限られた予算の中で長期優良住宅を建てることはできます。長期優良住宅にするかしないかを考える前に、まず長期優良住宅の概要について確認しておきましょう。
長期優良住宅とは?
日本では、戦後、急いで大量の住宅を作らなくてはならなかったことと、地震大国であることからどうせ家は地震で倒壊してしまうという考え方から、寿命の長い家を建てるという方法での家づくりはしてきませんでした。いわゆるスクラップ&ビルドという家づくりが住宅に対する考え方だったとも言えます。
この方法は、大量の廃材を生むだけではなく、消費者の家計を圧迫してきました。現在、住宅の資産価値は30年で0になると言われていますが、一生をかけて支払う家の資産価値が30年ではあまりに短いのではないでしょうか?多くの人は、それが普通のこと、又は仕方のないことだと思っています。
しかし、もしイギリスやアメリカのように、100年以上維持できる住宅が当たり前という世の中になれば、住宅に関する膨大な無駄をなくすことができます。
住まう人にとっては、子や孫の代まで住める家が手に入り、子や孫は住宅ローンの代わりにメンテナンス費用だけで、良いコンデイションの家に住み続けられます。ライフスタイルの変化で住み替えをする場合にも、資産価値が下がらないので、有利な条件で売却できます。反対に中古住宅を探している人は、コンデイションの整った優良な家を購入することができます。
そのような良い循環を生む為の長期優良住宅には、どのような基準が求められるのでしょうか?
耐震性能の高さ
日本は地震大国なので、イギリスやアメリカのように100年以上維持できる家にする為には、イギリスやアメリカの7倍以上の耐震性能が必要だと言われています。
そして、日本国内での耐震等級は、国が定めている耐震等級という基準で表されます。これは地震に対する耐性の程度を表す基準です。建築基準法では耐震等級1が求められますが、長期優良住宅では耐震等級2が必要です。
- 耐震等級1 建築基準法に定められている耐震性能(震度6強から7程度の地震が起きても、倒壊、崩壊せず、震度5程の地震が起きても損傷しない)
- 耐震等級2 耐震等級1の1,25倍の耐震性能
- 耐震等級3 耐震等級1の5倍の耐震性能(震度6強~7程度の地震が発生しても、無傷、又は軽い補修をすれば住み続けられる)
消防署や警察署など防災の拠点となっている建物は等級3ですが、長期優良住宅には、耐震等級2が求められるのです。
耐久性能の高さ
住宅の構造を支える骨組みにあたる部分を長く使う為の対策によって耐久性能は変わってきます。木造住宅の場合には、腐蝕を防ぐ為の床下の換気が十分であり、シロアリを予防する措置がとられていること、床下や小屋裏を容易に点検できる仕組みになっていることなどがあげられます。
断熱性能の高さ
エネルギーを無駄に使わずに、快適な室温を維持する為には、家の中から熱を逃がさないことと、家の外から熱や冷気を取り込まないことが必要です。それを実現する為には、屋根、壁、窓、床など、住宅の外側を包む部分の断熱性能の高さが必要です。具体的には熱損失係数(Q値)、日射取得係数(μ値)、熱貫流率(U値)を総合して評価される省エネルギー対策等級が4であることが求められます。
床面積
戸建て住宅での快適な暮らしに必要であると考えられる家の広さが求められます。具体的には12坪以上の敷地面積と75㎡以上の床面積が必要です。
メンテナンスの容易性
住宅を支える骨組みの部分に比べて、内装や住宅設備機器は耐用年数が短いので、メンテナンスが容易に行える仕様であることが求められます。
定期的な点検と補修計画
住宅は常に風雨や紫外線にさらされています。さらに地震や台風にも襲われます。したがって、どんなに性能の良い家でもベストコンディションを維持する為には、定期的な点検と、点検で見つかった問題があれば、補修が必要です。その為、住宅完成時から最低でも10年に1回程度の定期的な点検と補修計画が作成されている必要があります。
外観
デザインや色など、地域の居住環境に調和し、周辺の景観を向上させる外観の家であることが求められます。
間取りの柔軟性
長く住めば住むほど、家族にはライフスタイルの変化が訪れます。子供の成長、独立、結婚した子供夫婦との同居など、家族の暮らしの変化に合わせて、柔軟に間取りを変えられる造りの家であることが必要です。
バリアフリーにする為のスペース
車椅子や介護が必要になった時に、車椅子でも不自由なく生活できる家、介護がしやすい家に改修するだけのスペースが必要です。その為、将来的にバリアフリーに改修できるスペースが確保されていることが求められます。
ローコスト住宅を長期優良住宅にする為に必要なこと
ローコスト住宅とは、低価格で建築する家のことです。そして低価格にする為の方法によって、ローコスト住宅の質が変わってきます。低価格で建てられたが、住み心地の悪い家だったというローコスト住宅も全くないわけではありません。コストカットの工夫が十分にされていなければ、費用をかけずに住み心地の良い家は建たないのです。
長期優良住宅にする為には、標準以上の性能の家にする為の費用が必要になるので、さらに工夫が求められます。したがって費用を削れない部分と費用を削る部分の兼ね合いが、ローコスト住宅を長期優良住宅にする為の重要なポイントになるのです。
費用を削れない部分
耐震性能と耐久性能は家の寿命を守る為に絶対に外せない性能です。断熱性能は家の寿命を守ることに加えて、その家に住む家族の暮らしの快適さを維持する為に必要な性能です。また、敷地の広さや最低床面積も削ることはできません。
費用を削る工夫をするべき部分
- 家の広さ・居室の数・収納スペース
家族が快適に暮らす為には最低限の床面積が必要です。その面積を有効に使う為に、必要以上に居室や収納スペースを増やす必要があるかどうかを検討します。数年しか使わない子供部屋を広く取る必要はあるのか、4人家族にトイレが2つ必要なのか、各居室に収納スペースをそれぞれとるべきなのかなどを考慮し、快適な生活を損なわずに削れる部分を削ります。
- 家のデザインと建材
屋根の形状は、面が増えれば増えるほど費用が嵩みます。屋根の形には様々なデザインがありますが、傾斜面多い寄棟屋根や、方形屋根のように斜面が多い屋根は建築費用が嵩みます。また、斜面のない陸屋根も、特別な防水処理が必要とされるため、建築費用が嵩みます。反対に、一般的な三角形をした切り妻屋根は、建築費用を抑えられ、屋根全体が傾斜している片流れ屋根はさらに建築費用を抑えられます。
壁の形状も屋根と同じで、面が増えれば増えるほど建築費用が嵩みます。例えば一部分が1階建ての2階建ての家では、1階部分にも屋根がつきます。その結果、壁の面が増えるだけではなく、屋根も増えることになり、建築費が嵩みます。方形ではなく、L字型、コの字型の家も、壁の面が増えるので建築費が嵩みます。反対に総二階建ての家は、屋根も一つですみ、壁の面も4方だけなので、無駄なく建てられるため、建築費が抑えられます。
外観のデザインに凝れば凝るほど建築費はどんどん嵩んでいきます。反対にシンプルにすればするほど建築費は抑えられます。
また、屋根に使う建材にも様々な種類があります。昔から日本で使われてきた粘土から作られた日本瓦は、和風の住宅に調和し、非常に美しい建材です。しかし、建材自体が高価であることに加えて、特別な技術が必要である為、施工費が高く屋根材の中で最も費用が嵩みます。
それと比較してスレート瓦やガルバリウムは、低価格で抑えられます。ただし、スレート瓦の場合には10年程度で再塗装しなくてはなりませんが、ガルバリウムは15年から20年後まで再塗装が必要ありません。ガルバリウムの中でもジンカリウム鋼板は再塗装の必要がありませんが、建材の価格が高価です。
屋根や壁の形状をシンプルな形状にすることによって建築費用は抑えられますが、シンプルな外観にしたからといって家の性能が低下するわけではありません。同じ費用を割り振りする場合、家の性能を高めることに費用をかけるか、凝った外観の家にすることに費用をかけるかによって、家の寿命は変わってきます。
- 間取りと建材
家の中の間取りは、区切れば区切るほど、間仕切壁やドアなどの建具が増えていくので、建築費が嵩みます。反対に間仕切りの少ない家は建築費を抑えることができます。間仕切りの少ない家は、間取りの変更に柔軟に対応できる、視覚的に開放的な空間が作れるなどのメリットもあります。
また、内装に関しては、建材の種類が増えれば増えるほど、建築費用が嵩みます。同じ種類の建材を使うと、無駄が省けるので建築費用を抑えられます。
ローコスト住宅と長期優良住宅のメリットとデメリット
ローコスト住宅のメリットは低価格で家を建てられること、デメリットは粗悪な家にあたってしまう恐れがあることです。
長期優良住宅のメリットは、孫の代まで住める安全な家が建てられること、デメリットは建築費用が嵩むことです。
それならば、設計と建築の工夫でローコストを実現させた長期優良住宅を建てれば、それぞれのメリットとデメリットを解決できるのではないでしょうか?
ローコストで建てる長期優良住宅をお考えならエイ・ワン(株)にご相談を
エイ・ワン(株)は無垢材を内装に使ったログハウス風住宅など、ローコストで暮らしやすいシンプルな住宅を建築する会社です。
ローコストではありますが、建築基準法で定められた耐震性以上の耐震性、家を劣化させない工法による高い耐久性、複層ガラスの窓や断熱材による高い断熱性を備えた長期優良住宅に対応できる性能の住宅です。
長く住まえる家、快適な暮らしができる家は、住宅性能の高い家です。加えて、無垢材の内装の家は、天然の木材が持つ特性によって、家族の健康を守り、心を癒す住宅です。
エイ・ワン(株)は、施主様のライフスタイルや人生観に合わせた住宅の在り方を常に考え、お客様にとって最適な解決策をご提案する暮らしやすい家の創り手です。
”全ては笑顔の為に”
これは、当社が常に心掛け、実践している家づくりです。
エイ・ワン(株)では、これまでに培ったノウハウと、数多く施主様の問題解決を行ってきた豊富な実績を基に、施主様の希望を叶える無垢材を使った家のプランを設計し、ご提案いたします。
ご提案の過程で、家族の夢や実現したいライフスタイルなどの、ご希望を存分にお聞かせください。
当社のスタッフが全力で、お客様の家づくりに寄り添います。