ガレージと家を一体化させるインナーガレージを備える家の魅力
ビルトインガレージと呼ばれることもありますが、インナーガレージとビルトインガレージは同じく家の中に備えられたガレージのことです。ガレージと家を一体化させるという意味でガレージハウスという呼び方もあります。
愛車を守り身近に置ける
住宅の内部にガレージがあるということは、紫外線による退色、雨や風による汚れなどから、車を守れるということです。特に雪の多い地域では、カーポートの屋根がつぶれるというような心配もありません。車上狙いや落書きなど、イタズラの被害にあうこともなくなるでしょう。さらに間取りによっては、リビングでくつろぎながら愛車を眺めるというような常に車を愛でる環境を創れます。
雨の日でも屋外作業ができる
ガレージ内では車の手入れができます。そしてそれだけではなく、室内ではできないような床の汚れが気になる作業をすることもできます。庭の草花を冬に備えて鉢に移したり、株分けをしたりする作業、スポーツ用品の手入れ、プラモデルの塗装など様々なことができます。
車への乗り降りが楽になる
まだ小さな子どもや、車椅子など介護の必要がある家族がいらっしゃるご家庭では、屋外に出なくても車の乗り降りができる環境がつくられ外出が楽になります。
賃貸駐車場を使わずにすむ
住宅の密集地では、敷地内に駐車スペースを設ける余裕がないケースも少なくありません。そのような場合、近隣の賃貸駐車場を利用することになると思いますが、毎日車を複数回使うというご家族の場合、大変な負担になってしまいます。
子どもの送り迎えをする際にも、車を取りに行く、家に戻り子供をピックアップする、塾や習い事のある場所まで運転する、子どもを降ろす、駐車場に車を置きに行く、帰宅する、駐車場に車を取りに行く、車で子供を迎えに行く、子どもを自宅に降ろす、車を駐車場に置きに行く、徒歩で帰宅するなど、無駄な時間を多く使います。
毎日の買い出しを車でする場合には、荷物を降ろした後も、駐車場に車を戻しに行かなくてはなりません。家の中にガレージがあれば、たくさんの荷物を運び入れる際にも手軽に搬入できます。
加えて、駐車場の賃貸料金を節約できる良さがあります。地域によって料金には大きな幅がありますが、月々1万円程度だった場合、年間では12万円もかかります。その分が節約できるので家計の助けになるのではないでしょうか?
■ 家づくりの中で、最も家族に合った住宅を手に入れられる方法が注文住宅での家づくりです。その一方、注文住宅は、家づくりの中で、最も時間と労力をかけなくてはならない家づくりであり、後悔する部分が発生してしまうリスクのある家づくりでもあります。家族の為の家に対するこだわりを活かしたいからこそ、敢えて注文住宅を選んだにもかかわらず、満足できない家にしない為の注意点を押さえておきましょう。
コラム 注文住宅で押さえておくべき注意点
インナーガレージのある新築住宅を計画する際に注意すること
駐車スペースにはカーポートや独立したガレージを設ける方法などもあります。その方法に比べて、インナーガレージには新築時にしか設けられない、後でサイズを変更することができないという特徴があります。その為、新築時のガレージ計画は将来のことも考え、慎重に進めなくてはなりません。
ガレージのサイズは変えられない
現在所有している車に合わせてガレージのサイズを決めてしまっても将来的に困らないかどうかを検討する必要があります。生涯大きい車に乗り換えたり、車の台数を増やしたりする予定はないという場合には、問題ありません。しかし、子どもが増えたので大きい車に乗り換えよう、又は子どもが成人し車を運転するようになった、夫婦それぞれが車を所有したくなったというような場合には、ガレージ内に車が入りきらなくなってしまいます。
ガレージのサイズを決める際には、現在使っている車のサイズだけではなく、将来のサイズや台数の変化を考えることが大切です。そうしなかった場合、将来の車選びに制限が出てくる可能性があります。
居住部分の床面積が圧迫される
家の中にガレージを作る分、家族の居住面積が圧迫されます。そこで家全体の床面積とガレージに使う面積のバランスを考えながら間取りを決めていかなくてはなりません。床面積の制限が厳しいという場合には、平屋から2階建てにするなどの譲歩が必要になる場合もあります。
音の問題が発生する
車を使う家族の帰宅が遅い場合、エンジンの音が響いて早く就寝している家族の睡眠を妨げてしまうことがあります。その為、子ども部屋や寝室はガレージから離れた位置に配置するなど間取りの工夫が求められます。
シャッター音がご近所トラブルになることもあるようです。
参考サイト シャッター音が耐えられない!?ご近所の騒音問題、非常識なのはどっち?
道路との位置関係によって使いやすさが変わる
敷地が面している道路がすぐ先でカーブしている、交差点に面している、急な坂道であるなどの状況にある場合、インナーガレージを建てるかどうかは、運転する人の技術と考え併せて検討する必要があります。日常的に車を運転する場合、ガレージへの出し入れを安全にできることが大切です。
耐震性が低下する恐れがある
住宅のサイズや形状にもよりますが、住宅全体の幅に対して、ガレージの間口が占める割合が大きくなるほど、耐震性が低下する恐れがあります。インナーガレージを設ける際には、住宅全体とインナーガレージの床面積のバランスを見ながら、耐震性を高めていく必要があります。
■ 家づくりを始めるにあたって、どうすれば家族にとって最高の家づくりができる工務店を探せば良いのだろう…、とりあえず土地探しから始めるか…と考える人もいるかもしれません。しかし、土地探しは2番にして、まずは工務店を探しましょう。家づくりがよりスムーズに進みます。
ガレージの造り方
*この画像はインナーガレージではなく12帖の土間ホビールームは趣味の自転車を楽しむスペースです。ただ、ガレージにする場合でも、このように開口部を扉にする、または引き戸にするという方法をとることで、音の問題を解決できます。
ガレージを設ける際には、ガレージの防犯性、ガレージ内の換気や明るさに配慮して計画を進める必要があります。
ガレージの防犯性
ガレージの出入り口にシャッターを設けると、防犯性が高まります。シャッターのないガレージは、侵入強盗犯に対して格好の潜める物陰になってしまいやすいからです。シャッターの他に入り口付近に人感センサーを設けるなどの防犯対策が必要です。
シャッターは防犯面から考えると、必要不可欠なのですが、音の問題が発生する恐れもあります。シャッターの開閉音が響き、近隣の住民や、家族の睡眠を妨げてしまうかもしれません。その対策としては主に2つ考えられます。ひとつは静音シャッターを取り付けること、もう一つは引き戸を採用することです。引き戸の素材には様々なタイプがありますが、木製の引き戸にすると、音が静かなだけではなく、住宅のアクセントにもなり、外観のデザイン性が向上します。
ガレージ内の換気や明るさ
窓や換気装置を取り付け、排気ガスをガレージ内にため込まないようにする必要があります。また、ガレージの外の照明は防犯に役立ちますが、ガレージ内の照明も必要です。夜間の車の乗り降りの安全性や、作業のしやすさを確保できるだけの照明器具をとりつけましょう。間取りによっては不可能な場合もありますが、窓のあるガレージが理想的です。
東京都環境局 ディーゼル車排出ガスによる健康影響
インナーガレージのある家の建築事例
水戸市の平屋|腰壁がユニークな4LDK+インナーガレージの家
16帖のLDKは勾配天井で開放感のある空間となりました。