「廻り縁」「幅木・巾木」ってなんのためにあるのでしょうか?
家を建てるには様々な材料が使われます。
名前を聞いただけでパッと用途が思い浮かぶものや、聞いただけではよくわからないものもあります。
今回は名前を聞いただけではよくわからない、家づくりにおいても脇役的存在だけど意外と大切な役割を持つ「廻り縁(まわりぶち)」「幅木・巾木(はばき)」についてのお話です。
※幅木・巾木について…もともとは幅木と書いていましたが、建築図面上は一般的に巾木と記載するそうなので、こちらの記事では巾木で統一させていただきます。
【目次】
「廻り縁」は「まわりぶち」と読み、その名の通り、壁の「廻り(まわり)」につける「縁(ふち)」のことです。
ほとんどの方のお住まいについてるかと思いますが、天井面と壁面の境目に取り付けて仕上げに使う枠で、天井に沿ってぐるりと囲っている材料の事です。
廻り縁は、もともとは天井と壁の材料が異なるために隙間が出来てしまうのを隠すための材料として使用され始めました。
また、何年か経ちクロスが収縮したり、木造の場合骨組みが少し動いた時に隙間が出来てしまうことがあります。それらの隙間を目立たなくしてくれる役割があります。
廻り縁を天井や壁面と同系色にすると目立たなく出来ますし、デコラティブなものや、違う色の廻り縁をアクセントとしてインテリアに合わせて選ぶことも出来ます。
また、デザイナーズマンションなど、壁も天井もコンクリート造りであるために廻り縁をつけないという選択肢もあり、デザイン的にすっきりと仕上げることも出来ます。
廻り縁の役割が分かったところで、お次は巾木について調べてみます。
「巾木」は「はばき」と読み、床面と壁面の境目に設置する枠になります。
どうしても床に近い壁はものがぶつかって衝撃を受けやすく、床も近いので汚れもつきやすくなります。
巾木をつけることで、例えば「ワックスを塗った時に壁面のクロスがしみになってしまう」、「掃除機が壁にぶつかって壁面に傷がついてしまう」など、これらの衝撃や汚れから壁を保護するしてくれます。
廻り縁と同じように、壁の色やフローリングの色に合わせて巾木の色を選ぶことも出来、幅木・巾木もインテリアの重要な要素になります。
廻り縁や巾木の色を選ぶ時のポイントですが、床や壁の色に近いものを選べばお部屋との一体感が生まれ、遠い色を選べばインテリアのアクセントになります。
薄型の巾木を選ぶとスッキリとお部屋を広く見せてくれるほかに、ほこりがたまりにくいという長所もあります。
廻り縁と巾木は天井近くと床近くにありますが、廻り縁=美しく見せてくれるもの、巾木=汚れや衝撃から守ってくれるものと、役割についても大幅に違うことが分かりました。
家全体からすると小さなことかもしれませんが、廻り縁・巾木についてもきちんと役割があるんですね。家づくりの際は廻り縁や巾木の色もこだわってみても良いかもしれませんね。