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注文住宅の家づくり 子供部屋は作る?

注文住宅の子供部屋

間取りを考える際、子供部屋について、迷うご家族も多いのではないでしょうか?敷地に余裕があり、迷うことなく子供部屋に床面積を使えるケースもあれば、子供部屋を造ると、リビングが狭くなってしまうというケースもあるでしょう。また、教育方針や将来的な面から、子供部屋を造るかどうかを悩むケースもあると思います。

子供部屋を造る目的、子供部屋の使い方など、家全体の間取りや、家族の暮らし方と子供部屋のかかわりについて考えてみましょう。

子供部屋の目的

欧米では、子供は小さい時から自立させるという子育て観があることから、生まれた時から子供は子供部屋で育てられます。一方、日本では、子供が小さいうちは、常に親が見守って育てるという子育て観から、子供部屋はそれほど必要とはされません。それではなぜ、日本にも子供部屋があるのでしょうか?

その理由は子供部屋の目的の違いにあります。欧米での子供部屋は、子供を自立させるという目的を持つ部屋ですが、日本では、勉強させることを目的とする部屋として、存在してきました。日本に子供部屋が普及し始めたのは、大正時代以降です。子供を尊重し、子供本位という考え方が広まり、子供中心の家族が増えました。同時に、子供は成長したら家を継ぐという考えから、学歴が職業に影響を及ぼすという考え方に変わっていったという社会の変化もあります。

昭和になっても、そして現代でも、学歴が職業に影響を及ぼすという考え方はなくなってはいません。そして多くの親御さんは、しっかり勉強できるよう、子供部屋を造ってあげようと考えています。同時に、近年は、子供部屋を造らず、勉強できるコーナーを造るという考え方をする人も増えています。

その理由として考えられることは家づくりの変化です。土地の価格が上がり続けていることから、ここ数年は、新築戸建て住宅の床面積は、徐々に狭くなっています。家の中は細かく区切れば区切るほど、デッドスペースが生まれ、床面積を有効に使えなくなってしまいます。子供部屋や書斎を造らず、リビングや階段の踊り場などを利用して、勉強できるコーナーを造れば、床面積を有効に使えます。

同時に、家族の暮らし方の変化もあります。家にいる時間のほとんどはリビングで過ごす、という家族が増えています。親子の関係も変化してきていて、友達のような親子関係がほとんどです。その結果、昔の居室が細かく分かれていた頃には、ゲームや読書など、自分の部屋でしかできなかったことが、今はリビングで、できるようになったからなのでしょう。

そういう暮らし方をする家族が増えたことから、リビング中心の間取りが増え、リビングに多くの床面積を使うという傾向があります。家族それぞれが好きなことをして過ごせる空間には、広さが必要だからです。部屋数が増えれば床面積が圧迫されて、リビングが狭くなってしまうので、子供部屋や書斎、客間は省かれるのです。

子供にとっての子供部屋

カラフルな子供部屋

かすみがうら市の二階建て|カラークロスが特徴的な家

親御さんにとっては、勉強させることが目的の部屋かもしれませんが、子供たちにとって、子供部屋とはどんな部屋なのでしょうか?東京ガスが行ったアンケート調査の結果を見てみましょう。子供に子供部屋は欲しいか欲しくないかと尋ねると、子供たちのほとんどは、子供部屋が欲しいと答えるそうです。その理由の多くは、一人になれる時間があるからというものです。大人だけではなく、子供にとっても、一人で考える時間が必要なのでしょう。自分が子供だった頃のことを思い出して、子供部屋は造ってあげたいと思う親御さんもいらっしゃると思います。

では子供たちの家の中での過ごし方は年齢によってどのように変化していくのでしょうか?90%以上の小学生は、食後に過ごす場所はリビングと答えています。低学年のうちは、子供部屋があっても、両親の部屋で寝るという子供も多く、高学年になると、子供部屋に行くのは寝る時だけ、という子供がほとんどです。朝の着替えをしたり、勉強したり、寛いだりする場所はリビングで、子供部屋は、勉強道具や洋服の収納に使っています。

中学生になっても、70%以上の子供は、食後はリビングで過ごすと答えています。朝の着替えは子供部屋でするようになっても、勉強したり、スマホを使ったりするのはリビング、相変わらず子供部屋の使用目的は、就寝と収納です。高校生になると、男子と女子の答えに差が大きくなり、53,6パーセントの男子と、69%の女子が、リビングで過ごすと答えいます。子供部屋の方がリビングより勉強しやすいと感じるようになり、スマホも子供部屋で使うように変わっていきます。ただ、高校生の場合、勉強は家でするよりも、塾や図書館でするという子供も多いようです。

子供部屋の造り方

リビングの勉強コーナー

行方市の二階建て|ナチュラルモダンな白壁の家

子供部屋を造るかどうか迷う理由には、床面積を圧迫されることと、勉強部屋が必要な時期は、中学生から独立するまでの期間だけということあげられるのではないでしょうか?敷地に余裕があれば、広いリビングと、子供の数だけの子供部屋を造ることに何の問題もありません。しかし、限られた床面積の中で、広いリビングを実現しようとすると、子供部屋の床面積を確保できない場合も出てきます。

そのような場合には、リビングにスキップフロアを採り入れ、緩い区切りをつけ、勉強コーナーにする、ロフトを設けて子供部屋として使うなどの間取りで、子供部屋を造る方法があります。ただ、子供部屋には、子供部屋があると、リビングに子供の物が溢れないという大きなメリットがあります。独立した部屋ではなく、コーナーやロフトにした場合、十分な収納ができません。子供の衣類や勉強道具を収納するスペースを設ける必要があります。大型のファミリークローゼットを設け、内部に年齢に応じて使いやすい子供用のコーナーがあると、小さいうちから、リビングに自分の物を置きっぱなしにしない習慣が身に付きます。

敷地に余裕があり、子供部屋を造れる場合には、中学生、高校生になった時の衣類や勉強道具、習い事用品を収納できるだけの収納スペースがある部屋にしておくことが大切です。新築時には子供が小さく、子供部屋の収納をそれほど重要視せず子供部屋を造ってしまうことがあります。その結果、子供が成長してから、子供部屋に物が溢れ、使いにくくなってしまうというようなことのないようにするためです。新築時には子供が一人でも、下の子供が誕生した時の為に、後で2部屋に分けられるようにしておくという方法もあります。子供が小さいうちは、2部屋を繋げたままにして、遊び場としても使い、中学生になったら2部屋に分けて使うというような使い方ができます。

2部屋に別けられる子供部屋

行方市の平屋|こどもにやさしい無垢材内装の子育て住宅   将来2部屋に分けることができるよう、あらかじめドアを2つ設置しています。

また、子供部屋は、子供が小さいうちから自分で掃除をできるように、成長して、持ち物が増えてからも整頓できるように、掃除のしやすさ、収納内部の使いやすさに配慮することも大切です。ご家庭での教育方針や、子供の年齢や性格にもよりますが、子供が自分で室内の清潔さを保てるような造りにしておくことが、子供部屋を子供自身で管理させることに役立ちます。

また、長い目で見た時に、子供が独立していった後には、子供部屋は不要になってしまいます。ほとんどの時間をリビングで過ごし、勉強は塾や図書館でするのならば、あえて造らなくてもよいのではないかという考え方もあります。新築時には、子供がまだ幼く、中学生、高校生になった時に、どのような日常生活を送るようになるのかはわかりません。中学生、高校生になっても、子供部屋がなくても気にならない子供もいれば、子供部屋がどうしても欲しい子供もいます。部活や習い事で忙しく、子供部屋の必要を感じない子供、絵を描くなど、集中して作業をしたい趣味を持つ子供など、子供によって日常生活は異なるからです。

床面積に余裕があり、子供部屋を造る場合には、子供の独立後に、子供部屋をどのように活かすかという問題もあります。それらをすべて考えあわせると、新築時には、できるだけ細かく居室を区切らず、子供の成長に合わせ、必要に応じて変化していける間取りが理想的なのではないでしょうか?

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監修者情報

エイ・ワン株式会社(A-1 home)

エイ・ワン株式会社(A-1 home)

エイ・ワン株式会社(A-1 home)は、茨城県行方(なめがた)市で1981年より40年以上「設計・施工・監理一貫体制」で家づくりをしている工務店です。
一級建築士5名/二級建築士2名/宅地建物取引士3名/ファイナンシャルプランナー2名
が在籍しており、各分野の専門知識を持ったプロがマイホームを共に形にしていきます。

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