有害化学物質
■ホルムアルデヒド(formaldehyde)
用 途 | 合板、パーティクルボード、建材の接着剤、壁紙用接着剤、消毒剤、脱臭剤、防腐剤 | |
性 質 | 常温では無色の有毒気体、刺激臭、水に非常によく溶け30%〜40%の水溶液をホルマリンと呼ぶ、殺菌性、自然界にも微量存在する(タバコ、木材等が燃焼するときに生成される)、化学式:HCHOまたはCH2O、製法:CH3OH+CuO→HCHO+Cu+H2O、分子量30.03、融点-92℃、沸点-19.5℃、CAS番号50-00-0、ICSC番号0695 | |
健康被害 | 短 期 | 鼻、咽頭の刺激、流涙、咳、くしゃみ、せき、吐き気、呼吸器障害、神経障害、生殖機能障害、日本産業衛生学会の許容濃度:0.5ppm,0.61mg/m3 |
長 期 | 遺伝子毒性、発がん性の可能性{発がん性評価:IARC(国際がん研究機関) 2A「人に対して恐らく発がん性が有る」、(社)日本産業衛生学会 2A「人間に対して発癌性があると考えられる」} |
※ 建築基準法の規制対象物質で、使用の制限が設けられた。
ホルムアルデヒドの人の知覚と影響
気中濃度(ppm) | 人の知覚と影響 | |
0.08 | 厚生労働省の濃度指針値 | |
0.1以下 | 目、鼻、のどにかすかに感知する程度の刺激。 慣れて感じなくなってしまう程度。 |
|
0.2〜0.5 | 明らかな臭気を感じる。 | |
1.0以上 | 目や鼻の不快感 |
■クロルピリホス(chlorpyrifos)
用 途 | 農業やシロアリ駆除などに広く使われている有機燐系殺虫剤、多くの昆虫に有効 | |
性 質 | 無色の結晶、揮発性は低いが残効性が高い、水に溶けない、神経伝達物質のアセチルコリンを分解する酵素アセチルコリンエステラーゼを阻害する 化学式:C9H11Cl3NO3PS、分子量:350.6、融点41〜42℃、CAS番号2921-88-2、ICSC番号0851 | |
健康被害 | 短 期 | 倦怠感、頭痛、かすみ眼、めまい、発汗、悪心、嘔吐、唾液分泌過多 (急性中毒)縮瞳・意識混濁・けいれん・筋痙直・肺水腫 |
長 期 | 特に水生生物への影響が懸念され魚類・藻類への生物濃縮が起こりそれらが食物連鎖の中で人の口に入る |
※ 建築基準法の規制対象物質で、居室を有する建築物にはその使用が禁止された。
フィトンチッド
フィトンチッドって?
森林の植物、主に樹木が作り出して発散する「揮発性物質」で、フィトンチッドの主要な成分はテルペン類と呼ばれる有機化合物です。 ということは「シックハウス症候群」を起こす困りもので厚生労働省が指定した13の有害化学物質と同じ「揮発性物質」なのです。 ですからフィトンチッドとはいえ濃度が高過ぎると身体に影響する場合はありますが、こちらは善玉の天然物質なのです。
フィトンチッドは、ただの「木の香り」とはあなどれません。その効果は、「森林浴」で私たちのストレスを和らげてくれたり、 身心をリフレッシュさせてくれたりしますが、 消臭・抗菌作用、蚊やダニの忌避作用などの有効作用があることが分かっています。
植物はどうしてフィトンチッドを作るの?
では、どうして森の植物は、フィトンチッドを作るのでしょうか。動物と違って、植物は移動することができません。 そこで外敵からの攻撃や刺激を受けたとき、自らを護る防衛手段としてフィトンチッドを発散させているのです。 フィトンチッドには、周囲の植物への「成長阻害作用」、昆虫などに葉を食べられないようにするための「摂食阻害作用」、 昆虫や微生物を「忌避」逆に「誘因」したり、病害虫に感染しないようにするための「殺虫・殺菌」と様々な効果があるのです。 フィトンチッドの名前の由来は、フィトン(植物が)チッド(殺す)からきているのです。
衣・食・住に森林の力を活用
私たちの生活の中にいたるところでこの「森林の力」フィトンチッドが生かされています。例えば、
[ 植 物 ] | [ 成 分 ] | [ 効能/用途] | |
衣 | クスノキ | カンファー | 防虫・防腐作用 (樟脳) |
食 | ワサビ | アリルイソチオシアネート | 抗菌作用 |
お茶 | カテキン | 抗菌作用 | |
ショウガ | ゲラニルアセテート | 抗菌作用 | |
各種香辛料 | (抗菌成分)チモール、アリルイソチオシアネート、バニリンなど (抗酸化成分)ジテルペノイド、ロスマリン酸など |
抗菌作用 酸化防止作用 |
|
各種ハーブ | (水溶性成分)メラトニン、タンニン、フラボノイド、ビタミン、ミネラル類など (揮発性成分[精油])カンファー、ベルベノン、シネオールなど |
抗酸化作用 利尿効果 アロマテラピー リラックス効果 リフレッシュ効果 |
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住 | 青森ひば | ヒノキチオール | 抗菌作用 |
ヒノキ | カンファー、α−ピネン、リモネン、カジノールなどテルペン類 | 防虫、抗菌、防カビ作用 | |
サワラ | ピシフェリン酸 | 酸化防止作用 | |
ショウブ | アサロン | 鎮静効果 (ショウブ湯) |
などのように様々なところで私たちの生活の役に立っています。
化学物質についてのリンク
[ 有害化学物質 ] | 国立医薬品食品 衛生研究所 安全性カード |
(財)化学物質 評価研究機構 安全性評価シート |
ホルムアルデヒド | ○ | ○ |
クロルピリホス | ○ | |
トルエン | ○ | ○ |
キシレン | ○ | ○ |
パラジクロロベンゼン | ○ | ○ |
エチルベンゼン | ○ | ○ |
スチレン | ○ | ○ |
フタル酸ジ-n-ブチル | ○ | ○ |
テトラデカン | ||
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | ○ | |
ダイアジノン | ○ | |
アセトアルデヒド | ○ | ○ |
フェノブカルブ |
化学物質問題市民研究会 住まいの科学情報センター
化学物質データベースWebKis-Plus フィトンチッド普及センター